情報編
商標登録応援計画TOP>まず、商標調査をしよう!
商標登録をする商標は実際に使用している商標、もしくは、使用する予定のある商標です。ところで、この商標が商品・サービスとの関係で他人の商標権を侵害していたらどうなるでしょう?
商標権は独占排他権ですので、損害賠償や差止請求などの訴訟を起こされることも考えられますし、商標権の侵害には刑事罰の対象ですから、侵害者には10年以下の懲役、1000万以下の罰金、さらに、両罰規定といって、法人には3億円以下の罰金が課されます。ですから、商標登録をする以前の問題として先登録商標の調査は行うべきです。
また、「あなたの商標は登録できる?」で商標登録の条件を挙げていますが、実際の拒絶理由通知は3条1項各号(識別力の無い商標)と、4条1項11号(他人の先登録商標と類似する商標)、16号(品質・質の誤認を生じる商標)がほとんどだと考えてよいでしょう。
このうち、3条1項各号については識別力があるかどうかを判断すればよく、16号も商品・サービスとの関係で品質・質の誤認が生じるかどうかを判断すれば足ります。 しかし、4条1項11号の他人の先登録商標と類似するかどうかについては、調査をしなければわかりません。そして、調査した結果類似するものがなければ、かなりの高い確率で商標登録できることがわかります。
ですから、商標登録出願の前には商標調査は必ず行った方がいいです。商品名を決定する際にも、いくつか候補が挙がった後に商標調査をしてください。社名や店名を決める場合にも登録商標と類似しない方が、商標的にも使用できますので便利ですので、やはり商標調査をしてください。
(1)自分で調べるべき?
商標の調査のやり方は、調査会社や特許事務所に依頼するか、自分で調査するかの2つの方法があります。費用に制限がなければ調査会社や特許事務所に依頼すればよいでしょう。しかし、この場合でもまず、自分で調査をしてみましょう。自分で調査をすることで、どんな商標が登録されているのか、指定商品、指定役務はどのように記載されているのかなど、いろいろなことがわかります。また、商標候補がたくさんある場合には、調査をするスキルがあれば、商標を絞ることができます。
(2)特許情報プラットフォームを使おう
自分で調べる場合は、無料で使える特許情報プラットフォーム(https://www.j-platpat.inpit.go.jp/web/all/top/BTmTopPage)を利用するのがよいでしょう。調査に使えるのは次の3つのサービスです。
○商標の簡易検索
商品・サービスに関係なく、文字商標を調査することができます。文字を入力することで、入力した文字が含まれる商標を検索することができますが、完全一致であるために、アルファベット、カタカナ、ひらがな、これらの混合などの違いがあればピックアップできません。 こちらは、商標を決めるときに大体の目安に使う程度でよいでしょう。
○称呼検索 → 称呼検索リンク
商標のカタカナによる呼び方と、商品・サービスの区分又は類似群コードを入力することにより商標を検索することができます。類似した呼び方もピックアップされますので、文字商標の検索をする際には便利です。
○図形商標検索 → 図形商標リンク
商標を構成する図形の図形分類と、商品・サービスの区分又は類似群コードを入力することにより商標を検索することができます。こちらも分類に含まれる商標が広くピックアップされますので図形商標の検索をする際には便利です。
称呼検索と、図形検索は初めての場合はやや難しいかもしれません。これらの調査の仕方をまとめた商標調査ガイドを用意していますので、是非ダンロードして利用してください。下記リンクからダウンロードできます。